【side柚希】




時刻は午後7時すぎ。雪とイルミネーションがキラキラと輝く中を、山田くんと歩く。


付き合って5ヶ月。やっと叶った初デート。


あたしはちょっとでも気を抜いたら無意識にユルんでしまう頬に、なんとか力を入れて原型を保っていた。



「柚希、」


「ん?」



くいっ、と繋いでいた手を引かれて顔を向けると、山田くんの視線の先には、小さなペットショップが。


なんだろう?と思いそっと近づいてゆく。


すると、ガラス越しの店内には、サンタクロースの格好をした子犬や子猫と言ったたくさんの動物たちがいて。



「きゃーーーっ!」



と、思わずテンションが急上昇し一目散にガラス窓に駆け寄り張り付いた。


そんなあたしに手を引っ張られ連れられてきた山田くんの、少し笑った声が降ってくる。