「……どうもなにも、普通だよ」



うん、いたって普通。

別に特別進展してる訳でもないし、世間いっぱんの付き合って5ヶ月のカップルと、あまり大差はないと思う。


メロンソーダの入ったコップの下に敷かれたコースターがクマの形をしてて、こういうの、柚希が好きそうだな……なんてつい口元が緩む。



「……聖、なんてわかりやすい……」


「……ん?何か言った?」


「や、何でも」


「……?」



相変わらず自覚なしのベタぼれか~なんて、笑いながらボヤいている要に小首を傾げる。



「聖の普通って、きっと手繋いだとか、デートしたとか、そういうのだろ?」


「うん」



……まぁ、デートはまだだけど。


心の中で、ぼそっと呟く。

その声が思ったよりも低くて。あれ、俺拗ねてるのかな。


え、拗ねるって。俺こどもみたい……。