「……どうしたらワガママ言ってもらえるのかな」
心の声が、なんのためらいもなくスルリと吐き出されていた。
驚いたように目を見張り、俺を見る三人。
「それは彼女自身の性格の問題もあると思うけど。……やっぱ、言うしかねぇと思うよ。直接目を見ながら、自分の気持ちを全部さ」
「――…………」
……なんだか要が最近、すごく大人びて来た気がする。
正確に言うとスミレ先輩と付き合いだしてから……色々と、要も学んでいるのかな。
「……そうだね」
「そーそー!あっ、てかそろそろ時間じゃね?」
「えっ?もう?」
店内に設置された時計を見れば、あと5分ほどで彼女たちと待ち合わせる時間だった。
待ち合わせと言っても、ここが待ち合わせ場所なんだけど。


