本当に、すごい偶然だ。
私も途中から、どこか引っ掛かっていたけど。
要くんが毎日毎日、私のために参拝に来てくれていたなんて……。
……あぁ、ダメだ。やっぱり嬉しくて。
なんとか我慢していないと、泣いてしまう。
「じゃ、おじさんは邪魔しないように向こうに行こう。お嬢さん、よかったな」
おじさんはそう言って笑うと、その場を去った。
「伊吹先輩、あの」
「……?」
「参拝に来るとか、そんなことしか出来なくてすんません」
急に何を言い出すのかと思ったら。
どうして無理して笑っているのか、私にはさっぱりわからないわよ。
不器用。
彼は、それ以外無い。
一見誰よりも器用に見えるのに、中身はその真逆で。
不器用なりに愛を伝えようとしてくれている姿を見ると、思わず頭を撫でてあげたくなるのは、母性本能かなにかなのか。
愛しさが溢れて、勝手に体が動いちゃうのよね。


