『先輩は、自分が受験生だっていう自覚が足りないと思います』
『自覚って何よ……そんなの、嫌ってほどしてる!』
『自覚してたらそんな薄いワンピースにコート一枚で、こんな寒い中外出したりしないですよね』
『……っなによ、別に寒くないんだからいいじゃない!』
『そういうことじゃなくて!……はぁーっ。本当に、どうしてそこまで大雑把なんですか!?』
『はぁっ?』
『受験生なんですよ?自分の人生決める、すげー大事な時期が、今の伊吹先輩の立場なんですよ?』
『それは……っ』
『そんな大事な時期に、薄着で外出て風邪引いて、全部ダメになりましたー、なんてことになったら、それこそ馬鹿みたいじゃないですか』
『……でも、私は要くんに、ただ……っ』
――カワイイって、久しぶりに言ってもらいたかっただけなのに。
『……なによ、さっきから受験生受験生って……っ!もういい、要くんなんか嫌い!大っ嫌い!!』
『あっちょ、先輩!』


