「しんっ……どい!」
「ほらほら、あとちょっとだぞー。頑張れ頑張れ!」
見た目より遥かに長かった石段。
おまけに私はブーツだ。
しかもヒールの。しかも10センチの。
そしてなんといっても、先程までの全力疾走により、足はとっくに悲鳴を上げていた。
こんなの、しんどすぎる……っ!
肩で大きく息をしながら、とっくに石段を登り切ったおじさんに声援をもらう。
「はぁっ……はぁーっ!やっと着いた……っ」
最後の一段を登り終え、残っていた力でなんとか体が崩れ落ちないよう踏ん張る。
真冬だというのに、じんわり汗を掻いてしまった。


