「……松川くんと一緒にいられるだけで、十分幸せだから。寒さなんて感じないよ」
「……っ」
ぎゅうううっ。
って、照れ臭そうにはにかむ六花ちゃんの笑顔に、心臓が縮こまるように締め付けられた。
……こんなにも真っ直ぐ、いつも気持ちを伝えてくれる六花ちゃん。
それは、あのとき……俺が六花ちゃんに、俺なりの告白をした9月の終わり頃から、ずっと変わってない。
もちろん、その前からも。
六花ちゃんは、心も気持ちも、言葉も視線も、何もかもが真っ直ぐで。直球で。
なのに、俺はヘタレで、その全てから逃げてばかりだった。
……そうだ。俺の今日の目標は、男らしく告白すること。
俺がはっきりと自分の想いを伝えなかったせいで続いてしまった、この“友達”という3ヶ月間を、
今、終わらせないといけない。
「……っえ?」
「……あの、さ」
ありったけの勇気を振り絞って、六花ちゃんの両手を握る。
元々冷え症な俺にとって、六花ちゃんの手は温かくて、妙に心地好くて。
騒がしかった胸が、嘘みたいに落ち着いて安心して。
……このままずっと、繋いでいたいと。
離したくないって、そう思った。
少しの戸惑いと驚きの色を瞳に宿しながら、六花ちゃんが俺を見つめる。
目が合って、ヘタレな自分では信じられないくらい真剣に六花ちゃんを見つめると、頬をぽっと染めて、恥ずかしそうに、困ったように視線を泳がせた。
そして、もう一度俺を見つめ返してくれた六花ちゃんに、
俺は自分自身の気持ちをありのまま伝え……。


