元気になった様子の松川を見て、俺はなんだかいたたまれない気持ちになった。
もしかして俺は、今までずっと、ぶつかられる側だったから、“ぶつかる”ってことを考えたことも無かったんじゃないかって。
いつもいつも、俺は受け身で。あの人に、自分からなにかしたことなんてあったかな。
恥なんて捨てて、自分自身の想いを体当たりでぶつけたことなんてあったかな。
……俺は、柚希がぶつかってきてくれることを、当たり前だと思ってないかな……?
「じゃあ次、三橋はどう?美喜ちゃんと」
すっかり自分の世界に入っていた俺は、要のその言葉にハッと意識を取り戻す。
「俺?俺は……うん、無い。いたって順調」
「おまっ、松川に謝れ(笑)」
ケラケラと笑い声が響く。
熊谷さんと三橋のところは、もう付き合って1年のはずだ。
すごい仲良しだもんな。
話す三橋の横顔が幸せそうで、こちらまで笑ってしまいそうだ。
「ま、人のこと言っておいて、俺も特に悩みはないんだけど」
「おいおい(笑)」
「……言うと思った」
ほんと、こういう自由なところは要らしいよ。
つい笑みがこぼれると、パチッと松川と目が合った。


