言いにくそうに口ごもり、苦笑いを浮かべる松川に、他3人は首を傾げる。
「……実は、まだ付き合ってないんだよね」
「「「……えぇっ!?」」」
思わず絶句。みんな目を見開いて松川を見る。
え、だって。橘さんに告白されて、松川は自分の気持ちに気づいて。
それで、もうてっきり付き合ってるんだと……。
「ちょ、待て。それはガチで?」
要が問い掛けると、松川は肯定するように苦笑い。
……そうだったんだ。
あれ?でも。
「……でも松川、橘さんと一緒にいるよね?付き合ってたからじゃないんだ?」
「あー……それが、なんか、六花ちゃんは俺が告白として言った言葉を、告白として受け取ってなかったみたいでさ。今の関係は、“友達”だと思ってるらしい」
「えー……」
じゃあ、9月の終わりあたりから妙に親しげになった橘さんと松川は、別に付き合っていた訳ではなかったと。
友達って……その勘違い、男としては辛いな。
「松川ちなみにお前、六花ちゃんに気持ち伝えるとき、ちゃんと好きって言ったの?」
要の問いに、とたんうなだれてしまう松川。


