さすが山田くんのお兄さん。動作のひとつひとつがカッコいいんだよなぁ……。
キッチンの方から調理する音を耳の片隅で聞きながら、起こすのがもったいないと本気で躊躇してしまうカワイイ寝顔の山田くんを起こしにかかる。
……でも、こうしてじっくり見ると、本当に綺麗な顔……。
そっと前髪に触れる。
起きないかな……?ちょっぴり指先が震える。
柔らかくて、サラサラしてて。ついつい手が止まらなくなって撫でてしまう。
美しいって言ったら変かもしれないけど……窓から差し込む光が山田くんのブラウン色の髪に反射して、キラキラと金色に光っていて。
ニキビひとつないその透き通った肌。
長い睫に、筋が通った高い鼻。
じっと見ていると、山田くんの顔に引き込まれてしまいそうになる。
カッコいいなぁ。ステキだなぁ。好きだなぁー……。
「……柚希」
――ぴたっ。
無意識のうちに山田くんへと近づけていた顔が、止まる。
体中固まったように動かなくて、まさに静止状態で。
正確に言えば、逃がしてもらえなかった。
突然開いた山田くんの瞳に、真っ直ぐと射抜かれてしまったから。


