「お兄さん、マリアちゃんは!?」
あなたが今座っているそこにいたはずなんですけど!
「マリアなら、2階の自分の部屋で寝てるよ、大丈夫」
「そ、そうなんですか……よかった」
ほっと安堵の息を吐く。
……あれ、でも。あたしはマリアちゃんをソファーに移動させただけで、2階には運んでいない。
いったい誰が……。
「……お兄さんがマリアちゃんを運んでくれたんですか?」
「そうだよ、って言えたらカッコいいんだけどね。残念ながら、マリアを運んだのは聖だよ」
「え……」
山田くんが?
隣で眠る山田くんを見つめる。初めて見る寝顔に、胸がキュンキュンと高鳴ってうるさい。
普段よりも少し幼い寝顔。
そのサラサラな髪につい触れたくなる。
昨日、あたしが自分でも気づかないうちに寝ちゃって。それで、帰ってきた山田くんが運んでくれたんだ。
「で、マリアのいないここでふたりはなにをしてたの?」
楽しげに笑うお兄さんの唐突な質問に、振り返ったあたしはわかりやすく慌ててしまう。
「えっ!?べ、別になにもしてませんよ!?あたし寝ちゃったみたいで、全然記憶なくてっ」
「ほんとにぃ~?」
「ほっ、ほんとです!」
必死に両手を振って、赤い顔を誤魔化すように否定するあたしに、お兄さんは少々疑いの目を向けていたけど、すぐにニヤリと口角を上げた。
「ふたりで抱き合って寝てるから、てっきり一線越えちゃったかと思ったんだけど」
「……えぇっ!?」


