だけど俺は、もし今いつもの柚希がここにいて、同じ状況で、俺が同じ質問をしたとしたら、
“このタイミング”
を、選んでいたのだろうか。
そんな小さな疑問が、柚希を抱けないなによりも大きな原因なんだと思う。
……だから。
「……柚希、とりあえず退いてくれる?」
「…………」
優しく、でも強く。柚希にお願いするも、俺の上から一向に退こうとしない。
どうしようか、と考えていると、静寂の空間に微かに聞こえてきた規則正しい寝息。
……え?まさか?
「……柚希?」
「すー……すー……」
心地良さそうに眠る柚希は、耳に届く寝息の音源。
……あぁ、俺は今日だけでどれだけこの人に振り回されてるんだろう。
なんとも言えない、深い脱力感が全身を包む。
はぁ~っと長いため息を吐き、目の上で腕を組む。
……俺の心の葛藤返してよ、バカ柚希。


