でも、なんでお酒なんか……。
そう思って部屋を見渡した瞬間、冷蔵庫の近くにひとつの空き缶を見つけた。
まさか。
“オレンジカシス”と小さくプリントされたその空き缶には、表に印刷されたおいしそうなオレンジ。
端から見れば、オレンジジュースの缶に見えなくもない。
……これ、間違えて飲んだってこと?
でも確かに、見た目では判別を付けにくい。
パッと見だけで判断したら、これをオレンジジュースだと思う人もいるだろう。
味も匂いも、ほとんどアルコールだなんて感じないらしいし。
柚希に自分でジュース淹れてって言ったとき、間違えてこれを淹れちゃったってことか……。
呆れるというか脱力するというか。
口角をひきつらせて苦笑いをこぼす俺に、柚希はまたかまってもらえないのが不満のなのか怒り出した。
「山田くん、こっち向いてよお~っ」
「……あぁ、ごめん。なに……」
柚希の方に顔を向けた瞬間、柚希がキスをしてきた。
……て、え。柚希からキスって。
出逢ってから初めてされる行動に、俺は驚いてしばらく固まったように動けなかった。
ゆっくりと唇を離した柚希は、そのまま俺を押し倒して、その上に馬乗りになった。
天井を背に、真っ赤な顔で俺を見下ろす柚希が見える。
……え?ちょっと、これどういう状況?


