「目、閉じて」



地声よりは少し低くて、ささやくような声。



その声だけで全身がしびれたようになって、湊くんのシャツを掴んだ。



緊張しすぎて、唇がぷるぷる震える…っ。


今からキスだっていうのに、唇震えてるとか、なに雰囲気ぶち壊してんの、あたし!



「…蘭ちゃん、目開けて」



え…まだ口には何も触れてないよ…。

不思議に思いながらも目を開けると、湊くんの顔は真正面にあった。



「緊張してるでしょ」



かぁぁっと顔が熱くなるのがわかる。


ばれてたんだ…っ。

恥ずかしい……。


湊くんを直視出来ない…。