湊くんの秘密。





駅とあたしの家の中間あたりにある公園は、わりとこじんまりしてる。



遊具もあまり揃っていなくて、子供たちにはあまり人気がないらしい。



家と反対方向の公園はわりと広いから、みんなそこへ流れてるってお母さんから聞いた。



「わあ、公園とか懐かしいな」



滑り台と砂場しかない公園のベンチに湊くんは座った。



「蘭ちゃん。こっちおいで」



どこに座ろうか迷ってたあたしを見透かしたように

湊くんは、ベンチにあたしを促した。



その声に、ただドキッとして。

あたしの心臓、これから正常に作動してくれるのかな。



ドキドキしすぎて、そのうち故障でもするんじゃ…。