湊くんの秘密。




「あ…早く、会いたく、て…?」

「ははっ。何で疑問形なの?」



怖くて、なんて言えなかった。

でも、会いたかったのは本当だし!



「駅は…人が多いからどっか行かない?公園とか…」

「あっありますよ、公園!」



あたしに向かって微笑むと、「じゃあ行こっか」と歩き出した。



うわあ。

その笑顔、反則だ。


雑誌の中じゃ見たことないような、優しい顔してた。

マスクで口は隠れてたけど、目だけでわかった。



「らーんちゃん。行かないの?」

「わっ、行きます!」



ボーッとしていたあたしに、湊くんは振り返って不思議そうな顔をした。


小走りで追いつくと、ふわっと湊くんの匂いがする。