「…知ってる」

「好きすぎて、つらいの…」

「…それも知ってる」




もう、この腕から逃れたくないの。



「イベント……楽しみにしてるね」

「ん。 ありがと」



あたしがやっと泣き終わると、湊くんはあたしをソファに促した。



イベントまであと45分。



横に座った湊くんは、じっとあたしを見つめてくる。

な、なに…?



「…湊くん?なに…?」



あたしが湊くんの方を向いて言うと、いきなり唇に何かが触れた。



「っ?!」



唇に触れた何かは、確認しなくてもわかる。

けど。