校長室の前で、背の高いスーツの人に話しかけられた。



「永瀬蘭さんですか」

「…あっハイ…」

「鈴木湊のマネージャーです」



髪の毛はワックスでしっかり固められてて、見た瞬間、

わ、すごい硬そうなサラリーマン!って感じの人。



「なっ永瀬蘭です…っ」

「一応言っておきます。うちの事務所はプライベートに関しては本人に任せてますから大丈夫だとは思いますが。

仕事に支障が出るような交際をするなら…」



わかってますよね?と目で言われる。



背中がゾクッとして、鳥肌がたった。



「わ、わかってます…」



軽く会釈をして、ドアノブに手をかけると、マネージャーさんはこう言った。



「…涙、拭いた方がいいですよ。

今の湊があなたを見たら、獣化しかねませんから」

「え?」