「もしもし…」 教室がうるさいから、会話が聞かれる心配はなさそう。 絵麻ちゃんたちも今はいないし。 『ごめん、今大丈夫?』 「うん、大丈夫だよ」 『あのさ、明日なんだけど』 「…ぅん…」 嫌な、予感がする。 湊くんが言葉を発するまで、ずいぶん長い時間が経ったみたいで。 心臓がバクバクするのが、スローモーションみたいに聞こえる。 『明日、急に午前だけ仕事になっちゃって…。 他のキャストさんの都合が明日じゃないと合わなくなっちゃってさ』 え、と体が固まる。