「俺あした…朝から仕事だから…」



湊くんは教室を見渡して、だれもいないことを確認した。



みんな知らない間にいなくなってる…。

さっきまで何人かいたはずなのに。



「もう!湊くん」

「…?」

「そんな申し訳なさそうな顔しないでよ。あたしは美菜子と一緒にいるから大丈夫だってばっ」



そっか、あした湊くんはいないのか…。

少しだけがっかりする。

ほんの、ちょっとだけ。



「……ん。わかった…じゃあ、また」



頭を優しくポンポンされて

あたしの席を後にしようとした湊くんの腕を反射的に掴んだ。



「まっ、て…」

「ん?」