湊くんが言った通り、本当に関係ないじゃん。
あたしたちが、絵麻ちゃんに何かした?
絵麻ちゃんを怒らせるようなことした?
「…うっざ。久しぶりにこんなうざいカップル見た。
超萎えたー。あー…もう勝手にやってれば。あんたたちキモすぎ」
大袈裟すぎるため息をついて、湊くんに向かってチッと舌打ちをした。
自分からつっかかっておいて、何言ってんの。
あたしたちの方がよっぽどムカつくよ。
そんな風に言われて。
ムカつかないわけないじゃん…。
「…サボろっと。いくよ」
絵麻ちゃんは、湊くんの机から降りて、友達に目で合図する。
絵麻ちゃんたちが教室を出るまで、教室はずっと静かだった。
「蘭…?」
「……っ…あたし…」
「ん…泣かないの。頑張った頑張った」