「…俺、仕事が忙しくなるし、学校に一日来れる日も少なくなるかもしれない。

こんなときに蘭の側にいれなくてごめんな…」

「大丈夫…。あたしひとりでも頑張るから…」



負けない、から。

絵麻ちゃんたちなんかに負けないから。



「なんかあったら、絶対俺に言え。 電話に出なかったらメールでもいいから。お願いだから、溜め込むな」

「……っ、うん…」



湊くんの口から出た、初めての命令形の言葉に

あたしは深く頷いた。



「湊くんもお仕事頑張りすぎないでね」

「…わかってる」



今度はしっかりと抱きしめられて、あたしも湊くんの背中に腕を回した。