きっと、とっさに寂しいって思っちゃったんだ。



あたしは、頻繁に学校で会えるんだもん…。

ファンだった、あの頃とは違う。



リリースイベント、アニメのイベント

ラジオの公開収録とかでしか会えなかった人じゃなくなったんだもん。



今は湊くんの彼女だもん…。



贅沢言ってたら、ファンの子たちに殺される。

あたしだって湊くんのファンだったんだもん。



贅沢言うなって気持ちは痛いほどわかる。


だから、この気持ちは絶対に湊くんには見せないっ。



「おーいっ、らぁーん?」

「…っあ、ごめん!」



ボーッとしていたあたしの顔の前に何度か美菜子の手が行き来した。