――――結果として。


あたしは見事オーディションに合格した。


つまり、主人公役を射止めたんだ。



渡された台本を手に、満面の笑顔で昂くんの胸に飛び込む。




モデルだけじゃなくて、女優としてもスタートできたなんて自分でも信じられない。


でも。


あたしの頭を撫でる昂くんの手は大きくて、この手に支えてもらえるならキツい仕事でもいつでも頑張れると思うの。