次の日は、私の撮影はあんまりなくて、1~2カットを撮れば終了だった。


このチャンスを逃す手はない!と、この前の田舎風レストラン[山猫軒]に予約の電話を入れて……。



本日最後の私の撮影が、倉木さんと一緒だったからラッキーかも。


撮りが終わると、動きにくい衣装をずるずる引き摺って倉木さんの元に走った。


現場に倉木さんが入る時は、高橋さんが絶対に同じ場所には来ないことにも気づいたし。


……チャーンス!


「倉木さん、倉木さん」

「あ…如月さんか。昨日はみっともないとこ見せちゃったね。幻滅……」

「そんなことどうでも良いです。倉木さん今日は現場は何時まで、ですか?」



倉木さんは不思議そうにちらりと私を見たけど、それについては何も聞かず「トラブルがなければ4時上がりかな?昨日の夜からずっと通しだったからね」と、答えてくれた。




徹夜じゃん。今から誘うのは酷かなぁ…とも考えたけど、ええい、なるようになれ!!



「……倉木さんって、高橋さんとはちゃんと話し合いたいとか思ってます?」


うわうわ、どストレートに聞いちゃった!