桜色ノ恋謌

「改めまして、こんばんは」

「こんばんはー」


月島くんの挨拶ににこりと笑って返す。そして、ボックス席にみんなで座る。うん、台本通り。



「早速だけどさ、《ぷれしゃすっ!》の時、あんまり俺ら現場で会わなかったよね?」


大地くんの問いに「そう…ですよね」と答える私。


これ以降は《ぷれしゃすっ!》の制作裏話が続く。



そして私生活の話へ。


「聞いた話だと、翔大と如月さんは同じ学校……同じクラスだって?それホント?」


………きた。これ台本に乗ってない。



選択1。
(えー。そうなんですか?知らなかったー。私、あんまり学校に行けないから……)

なんか、仕事が忙しいのよって言ってるみたいで嫌味臭いな。駄目か。



選択2。
(そうなんですよ!月島さんはクラスでも人気者ですよね!)

……嘘臭い。っていうより私が言いたくない。



選択3。
(屋上でヤってましたよ。授業サボるのも茶飯事みたいです)

私的にはいいんだけど、事務所的に駄目だろう。