その日以来、たまに恭哉はあたしのマンションに遊びに来る。


実家に帰って仲良くしたくても、邪魔が入るから落ち着いて二人で……イチャイチャ出来ない。



そのせいで実家にはあんまり帰らなくなった。



恭哉が口癖のように言う。


「咲絢と一緒に遊びに行きたいのにな」…って。



普通のカップルだったらデートスポットなんか人目も気にしないで行けるけど、あたしが芸能人だから……。



こうやって二人で逢うのでさえ、誰かの目を気にしながら…だから、我慢させてるのを申し訳なく思うんだ。






―――だけど本当は恭哉が何に対して我慢をしていたのかを、あたしが知るのに時間はかからなかった。