「バカじゃないの⁉何で分からないの⁉ていうか、何でこんな所に連れてきたのよ⁉」
『ですが、お嬢様はどこでも良いと…』
「黙りなさい!貴方がここまでバカな執事だとは思っていなかったわ!大体ね!幕末の時代に連れてこられるなんて思うバカがどこにいるのよ!?いや、それ以前にあんなフラフープでどうやったらタイムスリップ出来るっていうの!?」
『お嬢様。そんな大声出していると、新選組が来てしまいますよ』
すっかり取り乱す私と、ムカつくくらい冷静な翔太。
ちらっと後ろを見ると、確かに新選組が歩いて来るのが見えた。
…捕まるのはごめんだ。
「本当に救いようのないバカね!いい!?ちゃんと、元に戻る方法考えなさい!」
『あ、お嬢…』
「分かったわね⁉さっさと元に戻さないとクビにするわよ⁉」
プツっと電話を切り、この妙な風景の中を歩き出す。
翔太のバカ……。
バカバカバカッ!!!!
…タイムスリップ?時空移動?
有り得ない。
科学的に無理、出来たら逆にすごいよ…。

