「椿さん。行きますよー」

「はーい」


これから、椿は初めての巡察に行く。

もらったばかりの羽織を身に付けて、外に出た。


「椿さん、万が一の為にこれを持って下さい」


沖田がそう言って手渡したものは、椿がこの時代に来た時、浪士から奪った脇差しだった。


「でも私、刀は持たないって…」

「いくら強くても、あなたは女です。しかも丸腰だと狙われやすい立場になります。だから、持つだけでも」


少し迷った後、椿は脇差しを受け取る。


「分かったわ」


今いる所は、本当に生と死の狭間なんだと、自覚した。


「では…。行きましょうか」


沖田と椿を先頭に、巡察が始まった。