「痛たた…」


ドンっと尻餅を付き、痛みを堪えながら立ち上がる。

道を行き交う人は、そんな私を怪訝そうに見ていた。


「何やあん人…。急に上から降ってもうて…」

「わても見たわ…」


え、何?関西弁?

いや、違う…。

京都弁?

ていうか、皆着物だし、男は刀持ってるし…

銃刀法違反だよ?大丈夫なの?

とりあえず、翔太に電話してみないと…。


プルルル…


『はい』

「あ、翔太?到着したんだけど…。ここはどこなの?もしかして、京都?」


京都だったら、東京からもかなり離れている。

それはそれで、いいんだけど…。


『今お嬢様がいる場所は、文久3年、10月の京都ですよ』