「よく眠れましたか」
沖田だった。
「よく眠れるわけ、ないでしょ?だって私、何も悪いことしてないのに…。こんな、軟禁って、おかしいじゃない」
「…証拠はあるんですか」
「証拠…?」
「そうです。あなたが間者じゃないと言い張るのなら、それなりの証拠を見せて下さい」
…あるわけない、そんなの。
自分が持っているのは…
あのケータイだけ。
だからってそれを見せるわけにもいかないし…。
「今すぐじゃなくていいので。…あ、そうだ。はい」
沖田は椿の手を取り、その上に温かい何かを乗せる。
炊きたての白いご飯。
そこから漂う、ふわふわとしたいい匂い。
それは、おにぎりだった。
「食べていいの?」
「あれ、お腹空いてませんでしたか?」

