流石、“鬼の副長”と言われていただけある。
多分この人は…。
新選組副長の、土方歳三。
「私は間者じゃありません」
これは本当の事だし…。
「なら、別の質問をする。その髪と目の色は何だ。異人か?」
「生まれつきです」
「どこから来た?」
「とうきょ…。いや、江戸です」
…まずい。
土方さんらしき人は、怪訝そうに眉をひそめる。
「俺が聞き逃すとでも思ったか?“とうきょ”とはどこだ。というか、何だとうきょとは」
「江戸です」
「質問に答えろ。とうきょはどこにある。北か、南か」
苛々が募るのを必死で抑える。
「だから江戸ですってば」
「俺は江戸の出身だ。とうきょなど、聞いた事ねぇぞ」

