「何でですか!」

「どうしてそんなに慌ててるか知らねぇが、少しは落ち着け」

「何言ってるんですか?浪士に斬られたりでもしたらどうするつもりですか!」

「あのな、勝手に話を進められても、俺はお前の言ってる意味がさっぱり分からない。



──誰だ、その”椿“ってのは」


その土方の言葉に、沖田は呆然と固まる。


「えっ?……椿さん…ですよ?
何で、分からないんですか⁉」

「何でって言われてもな…。とにかく、そんな事言ってねぇでさっさと巡察にでも行ってこい」

「嫌です!椿さんを探してきます!」

「総司!」


ハッとして、土方の方を向く。


「何があったのかは知らないが…。とにかく、それは後回しだ。分かったか?」