カキンッ!と、鉄と鉄がぶつかり合う金属音が響き…


「……っ」


(ごめんなさい……!)


自分の命を守る為には、仲間を守る為には……敵の息の根を止めなければならない。

それが、この”幕末“という時代。

ドラマでも聞いた事のある、いや、それ以上の、嫌な音が響く。

味わった事のない感覚。

銀色の刃は、赤く染まり、床に血が滴り落ちる。

ぐらっと激しい目眩が椿を襲う。

視界がぼやける。

血で足元が滑る。


(あ…。わ、私、人を…)


「うっ……」


口を手で押さえる。

急に吐き気がしてくる。

膝が笑う。

手が震える。

目の前に広がる、生々しい、既に致死量を超えた鮮血。

未だ手に残っている、肉を斬った感触。