そこには、この間会った白猫がいた。

綺麗に佇むその猫は、少しずつ椿に近付いてくる。


「…前も会ったよね?迷い猫?飼い主さんは?」


そっと、その白い毛並みを撫でた。

白猫は甘えるように、椿に頭をこすりつけてくる。


「くすぐったいってば…」


さっきまでの重い空気が嘘みたいに、椿は自然と笑顔になる。

白猫は、ペロっと椿の手を舐めると…

チリンとまた鈴の音を残し、踵を返して、去っていった。