「良い刀を選びはったなぁ。これは、“紅椿”どす」 「あかつばき…?」 「そっちのお嬢さんが持つんやろ? うん、ぴったりや。半分まけたる」 「え!いいんですか⁉」 ええよ、と言いながら、店の人は椿に刀を手渡した。 「「ありがとうございます」」 お礼が沖田と見事にハモり、顔を見合わせる。 「あんさん、しっかり、このお嬢さん守らんとあかんよ?」 主人はそう言い、店の奥に消えていった。