──翌朝。 「本当に、いいんですね?椿さん」 「…うん」 目の前に広がる、刀の数々。 椿は、沖田と一緒に刀を買いに来ていたのだ。 「沖田さんの刀って、何だっけ?」 「菊一文字 (きくいちもんじ) です」 「そうなんだ…」 一つ一つ、刀を握ってみる。 長いのや短いの、重い物や軽い物など色々あったが… 「これ…」 一本の刀を手に取り、沖田に見せた。 「大きさも重さも、椿さんにぴったりですね」 お勘定をしに、沖田と椿は店の主人の所に向かう。 そこまでの足取りが、長く感じられた。