「私も、戦うから」


それを聞いた沖田は、いつもに増して真面目な顔になった。


「……そう言うと、思っていました。でも…」


沖田は、言葉を続けようとする。

しかし…。


「反対、でしょ?」

「…はい」


この時代に来た時も、“女は刀を握るべきではない”と沖田は言っていた。

だから反対される事くらい、椿も分かっていた。


「でも、やっと分かったの。守りたい物が…」


それを戦わずして失いたくない、と椿は続ける。


「分かってますか?人を、斬るんですよ?」

「うん。分かってる」

「ただでさえ、死が隣り合わせの時代なのに…。女の貴女が、自分から、武士の道に踏み込むんですか?」

「…うん」

「一度踏み込んだら、元には戻れませんよ?」

「うん。お願い、沖田さん」


ぎゅっと、椿は沖田の手を握りしめる。