「“壬生狼”って、貴方達呼ばれてるでしょう。
“江戸から送られてきた、使えない人斬り狼”
っていう意味らしいわね。京に住んでる人達が言ってたわ。……本当、笑っちゃう」
伊吹は、クスクスと楽しそうに笑う。
土方はそんな伊吹を見やり、隊士に捕縛をするよう指示を出す。
しかし……それも、ヒュンっと飛んできた手裏剣で抑えられた。
「全部、父上と母上の為。この新選組に入ったのも。そして…」
伊吹は、椿の目を真っ直ぐに見る。
「──貴女に、わざと負けてたのもね。信用を得る為だった」
「……」
椿はそんな伊吹の目を、真っ直ぐに見据える。
「それに…。もしかして貴方達、私をただの“長州の間者”だと思ってたでしょう」
土方や近藤、沖田は、ついに抜刀していた。
沖田は椿に近づき、小さい声でそっと呟く。

