「いいか、一本勝負だ。
両者構えて…。──始め!!!!」
前と同じ、土方の低く力強い声で、試合が始まる。
その直後、
──パアンッ!!!!
かわいた音が道場内に響いた。
「面あり!勝者、如月椿!」
土方はにやりと笑う。
椿は伊吹の方へと近付いた。
「”いつでも来て“って言ったから、あなたは少し余裕を持ってしまったでしょう。でも、私は行かないとは一言も言っていない。これも戦略の一つなの。来ないと思ったから、あなたは驚いて突然の攻めを止められなかった。違う?」
「…そうです」
「隙がある証拠よ。それだと新選組隊士なんて向いていないわ。すぐに斬られておしまいよ」
はっきりとそう言いながら、椿は竹刀を片付けようと動き出した。
(流石椿だ。あいつに勝てる奴はいねえだろう)
そう思ったのは土方。
やはり椿の腕は本物だ、と。

