毒舌に惑わされて

実は記憶を無くすほど酔いつぶれたことは何度かある。だけど、目覚めた時、裸だったのは初めてのこと。


忘れたい出来事…こういうのは話題を変えるのが一番だ。


「葉月、これ美味しい!あとでレシピ教えてよー」


「そーおー? 帰るときまでにメモっておくわね。気に入ってもらえて嬉しいわ」


葉月は褒められて、気分を良くする。こういう葉月は単純でかわいい。

隣りに座る旦那さまが優しい目で見ているし。


「莉乃の得意料理は何?」


いきなり隣の聖也から質問を受ける。


「そーねー。お刺身とかー」


「それって、切るだけだろ?」


「生姜焼きとかー」


「それって、焼くだけだろ?」


私の得意料理は料理でないと言われている?

めげないぞ。


「他にもあるわよ。そうだ、カレーも得意よ!」


どうだ!


「それさ、子供でも作れるよな?」


カレーまで否定された?


「もしかしてさ…刺身って、魚からさばいている? それならすごいと思うけど?」


ニヤリと意地悪く笑う聖也。