天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether




*



祝祭の翌朝。


目を覚ましたクオンは、自室を出て手水の間で顔を清め、そのまま朝餉の間へ行った。



そこには、珍しく早起きをしたらしいアスカとミカゲが額をつきあわせていた。


相談事をしているようだ。



(………また、何か良からぬことを企んでいるみたいだな)



クオンは呆れたように子どもっぽい二人の様子を眺める。




「あっ、クオン! おはよう!」


昨日の剣幕はどこへやら、なんとも明るい笑顔でアスカが近寄ってくる。



「おいおい、昨日の癇癪はどこに行ったんだ。

ずいぶんご機嫌だな、アスカ」


「えへへー、昨日はごめんね、クオン。

今日はさぁ、ミカゲの提案で、兄弟三人で久々に出かけようってことになって!!」


クオンは少し驚いたように眉を上げた。


「いきなりどうしたんだ?」


するとミカゲも近くに来て、にこにこと笑いながら言う。


「いいじゃないの、たまには。

兄弟水入らずでね!」


そういえば、ミカゲは昨日とはうってかわって活動的な丈の短い衣装である。



「………何かとてつもなく嫌な予感がするんだが」


「なぁによぅ、私たちが何か企んでるとでも?

失礼よねぇ、アスカ」


「そーだそーだ。

俺たちだってもう子どもじゃないんだぞ」



いかにも白々しいが、まぁいいか、とクオンは自分も外出の支度にとりかかることにした。



そういえば、最近は皇太子としての公務に追われ、外の空気をのんびり吸うこともなくなっていた。