天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「ーーー別に、そんなんじゃないよ。


ただ、………今までみたいに三人で一緒にいられなくなるのは、つまらない気もするけどさ」



アスカはぶつぶつと呟いた。




さらにぎゅっと抱き締める力を強めたミカゲの髪からも、花のような香りが漂ってくる。



アスカは無意識に大きく息を吸って、吐いた。




「……我が儘言って、ごめん。


今日のことは反省してるよ。


なんだか足が動かなくなって、部屋から出られなかったんだ。


なんでだろ、自分でも分からない…」



アスカはミカゲの身体を柔らかく押し退けた。




「……ね、アスカ。


明日、久々に三人で出かけよっか。

お弁当もって、羽衣着て。ね?」




蕩けるような笑顔でにっこりと言われて、アスカも眉を下げて少し歪んだ笑みを浮かべる。



「……それ、いいね。行こ!」



「あ、そうだ、久々にクオンに、あれ、やっちゃいましょうか」



企みありげなミカゲの顔を見て、アスカも嬉しそうに手を叩く。



「名案だね!」



にかっと相好を崩したアスカの薄い唇の間から、小さな八重歯が覗いた。



茶色がかった、密度の濃い睫毛に囲まれたつぶらな瞳が、嬉しそうに輝いている。







「…………アスカ、やっぱりかわいい〜!!!」




たまらず、ミカゲはまたぎゅうっと抱きついた。




「わ〜、ミカゲ〜!! もう〜〜っ」




そしてまた、アスカが情けない叫び声を上げるのだった。