天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

何だか好い香りのする、柔らかな細身の身体。




それに思いがけずふわりと包まれて、アスカは慌てる。



「ちょっ、急に何すんのミカゲ!!」


「ふふ、久しぶりだなぁこの感じ。

昔はよくぎゅってしてたもんね」



ミカゲは嬉しそうに笑い声を立てるが、アスカはそれどころではない。



「〜〜〜もうっ。ミカゲ!!

俺もう大人だぞ!? やめろよ!!」


「あれれ〜? もしかして照れてる?

耳朶が赤いぞ〜、かわいいなぁ」



からかうように笑うミカゲに、アスカはさらに頬を赤く染めた。



「ちょっとっ、いいのかよ!?

婚約発表したばっかりだってのに!」


「なぁに〜? 別にいいじゃない。

姉弟なんだから、ね」


「だめだよっ、やめてよ〜!」



アスカは手足をばたばた振り回した。


しかしミカゲは、アスカの柔らかな頬に頬を寄せ、すりすりとする。



まとめ髪にしたミカゲの白銀の後れ毛が首筋に触れ、アスカは動きが鈍ってしまった。



「ミカゲ………」



戸惑ったように情けない声で名を呼ぶ。



ミカゲはアスカの頭を右手でふわふわと撫でた。



「大好きなお兄ちゃんが結婚するから、寂しいんでしょ?

だーいじょうぶよ、同じ宮の中に住むのは変わらないから、いつでも会える」



ミカゲは慰めるように優しく語りかけた。