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「さて、アスカ」
クオンは咳払いをして、アスカの薄茶色の瞳を覗き込む。
「どうして今日は、祝祭に参列しなかったんだ?
あれだけ、父上からも母上からもきつく言われていたはずなのに…」
「そうよ、アスカ。
年に一度の祝祭の日。
その重要性は、あなたもよぉーく分かっているでしょ?」
クオンとミカゲは仲良く肩を並べながら、長椅子の前に正座させたアスカを諫めた。
アスカは膝を握りしめ、肩を落とし、項垂れて、唇を尖らせながらぼそぼそと言う。
「だって……。
だって、今日は嫌だったんだ、どうしても…」
その視線は、クオンとミカゲの並んだ爪先に向けられている。
クオンとミカゲは顔を見合わせた。
ミカゲは怪訝そうに首を傾げ、アスカを見つめる。
「どういうこと?
今日だけはって…」
アスカは視線を上げないまま、呟く。
「それは……,。
えーと、み、ミカゲが……」
「あら、私が、なに?」
「ミカゲが、万能の神様みたいに扱われるの、見たくなかったから……」
しどろもどろの言い訳に、ミカゲが目を丸くする。
「なぁーに、そんなの。
いつものことじゃないの」
「そりゃそうだけど…」
「でしょ?
じゃあ、どうして今日だけ?」
ミカゲが納得できないと示すように眉根を寄せたまま言うと、アスカは堪えかねたように声を荒げる。
「……とにかくっ!
いつものことでもなんでも、いやだったの!!
〜〜〜もういいだろっ!?」



