天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether








「さて、アスカ」



クオンは咳払いをして、アスカの薄茶色の瞳を覗き込む。



「どうして今日は、祝祭に参列しなかったんだ?

あれだけ、父上からも母上からもきつく言われていたはずなのに…」



「そうよ、アスカ。


年に一度の祝祭の日。

その重要性は、あなたもよぉーく分かっているでしょ?」



クオンとミカゲは仲良く肩を並べながら、長椅子の前に正座させたアスカを諫めた。




アスカは膝を握りしめ、肩を落とし、項垂れて、唇を尖らせながらぼそぼそと言う。



「だって……。

だって、今日は嫌だったんだ、どうしても…」



その視線は、クオンとミカゲの並んだ爪先に向けられている。



クオンとミカゲは顔を見合わせた。



ミカゲは怪訝そうに首を傾げ、アスカを見つめる。



「どういうこと?

今日だけはって…」



アスカは視線を上げないまま、呟く。



「それは……,。


えーと、み、ミカゲが……」



「あら、私が、なに?」



「ミカゲが、万能の神様みたいに扱われるの、見たくなかったから……」



しどろもどろの言い訳に、ミカゲが目を丸くする。



「なぁーに、そんなの。

いつものことじゃないの」


「そりゃそうだけど…」


「でしょ?

じゃあ、どうして今日だけ?」



ミカゲが納得できないと示すように眉根を寄せたまま言うと、アスカは堪えかねたように声を荒げる。




「……とにかくっ!


いつものことでもなんでも、いやだったの!!


〜〜〜もういいだろっ!?」