天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether









興奮さめやらぬ天の民たちを天庭に残し、天皇は手を振りながら、時宮と光宮を引き連れて祭殿を後にした。




そのまま、奥の間へ入り、真っ白な長い廊を行く。



その間もずっと、人々の歓声が後ろから追い駆けてきていた。





天皇は後ろを振り返って、先ほど婚約を発表したばかりの年若い二人を一瞥した。





光宮は、その奥ゆかしい白冴えの美貌を軽く伏せている。


白銀の髪に包まれた表情は、窺い知ることができない。


長く裾引く衣装を着ているため、歩調は緩徐としたものだ。





隣に並び歩く時宮は、背筋を伸ばし、秀麗な面を上げ、知的な唇はしっかり結ばれている。


少し顔を伏せるようにして、美しい婚約者の足元に注意を払いながら、歩幅を合わせてゆっくり歩いていた。





我が子と姪でありながら、香気漂うあまりの艶麗さに、天皇も思わず嘆息してしまう。




二人の美しく、そして幸福そうな姿を確認して満足気に頷き、天皇はまた前に向き直った。