天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

響き渡る歓呼の嬌声の中、天皇は光宮に優しく語りかける。


「光宮よ、具合は問題ないのか」



光宮は、色のない弓形の両眉を軽く上げ、白く長い睫毛に縁取られた大きな赤い瞳を少し細めて、天皇に笑みを向けた。



「大事ございませんわ、主上(おかみ)。

御心配をおかけいたしました。


多大なる御配慮をいただき、返す返す感謝しております」




凛と整った小さな顔に浮かべられたその微笑は、まさしく天女のように清らかで美しかった。


身内である天皇も、思わず見惚れてしまうほどだ。




天皇は、天の民たちを見渡す。


「皆の者、我が姪御たる光宮の体調に関しては、随分と心配をかけているようだな」


人々は顔を上げ、天皇の声に耳を傾ける。


「光宮は、皆の知っての通りこのような白い姿のため、たいそう陽の光に弱い。

先日の公務の際に日光を浴びてしまい、ここしばらく体調を崩していた」


人々が哀しみの嘆息を洩らした。



「しかし、案ずるでない。

今はこの通り、すっかり快方に向かっている。

もはや憂心は無用であるぞ」



天の民たちは、心底安堵したような声を上げた。



光宮も、それに応えるようにほっそりとした手を挙げる。


そのたおやかで優美な仕草に、また人々は恍惚とした表情になる。