天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

初めは拍手のようにばらばらに鳴らされていた鈴の音。


その微かな音は徐々に重なり合い、一つの旋律を奏で始めた。




それは、全ての天の一族にとっての魂。



この天国に生を受けた瞬間から身の周りに満ちていた、天の一族にとって無くてはならない旋律である。




天の民たちは、自分たちが奏でる美しい旋律、魂に刻まれている旋律に包まれ、うっとりと陶酔の表情を浮かべながら、手首の鈴を鳴らし続けた。





そこへ、天皇の低い歌声が旋律に乗って響き渡り始めた。


天の民たちも、それに唱和する。




それと同時に人々は、祭殿の奥の間へ、期待に煌めく目を向けた。



天皇が、歌の合間に宣う。



「皆の者の望みは分かっている。


今日こそ、その望みを叶えよう」



その言葉を聞いた人々は、ざわめき、周囲と顔を見合わせた。




その時、奥の間から、高く細く、それでも心に染み入るように響く美しい歌声が流れ出てきた。




天庭中が、轟音のような喝采に沸く。



「光宮さま!!」



鈴の音が奏でる旋律も、ひときわ大きくなった。