天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether








今日は、年に一度の祝祭の日だ。


天皇の治世の平安を祝う、天国で一番の大きな祝祭である。



この日には、天国中に浮かぶ島々から、全ての天の民が天宮に集まってくる。


天の羽衣と呼ばれる衣を身に纏い、空を舞って天宮の建つ大島に降り立った人々は、互いに久々の再会を喜んだ。



「まあ、久しぶりね」


「そうね、本当に」


「今日の祭事では天皇陛下の御声が拝聴できるわね」


「ええ、楽しみだわ」


「時宮(ときのみや)さま、空宮(そらのみや)さまの両皇子殿下も、きっと御臨席なさるわね」


「ああ、楽しみだわ。

両殿下の御尊顔を拝見できるなんて」


「ねえ、光宮(ひかるのみや)さまの御加減はどうなのかしら。

今日は御姿を見せて下さるかしらね」


「そうそう!

風の噂ですけど、この頃はずいぶん宜しいようよ。

やっぱり太陽の光に当たられるのは良くないのでしょうけど」


「せめて、奥の間からちらとだけでも御顔をお見せいただいて、神々しい御姿が拝見できるといいわね」


「本当にそうよねぇ。

一目拝見しただけでも、何だか全身が浄化されるように感じるのだもの。

全く不思議な御方だわ」



白い衣装を身に纏い、髪や胸元などに装飾品をつけて着飾った人々。


笑いさざめきながら、天宮の中心にある天庭へと歩を進める。