大通りとは反対方向に歩いていく。



人気は全くない。


豊かな畑が続き、道端には緑の樹木が生え続き、のどかな風景だ。



歩いていくと、小高い丘のふもとに行き着いた。



そのまま登って行く。



しばらく登り続けると、頂上らしい所に行き着いた。



丘の頂上から、ルルティアの町を見下ろす。



色とりどりのテントや、小さく密集した家々、そこここの通りを埋める人々。


こんなに栄えている町は、初めて見た、と思う。



(長い間、あらゆる土地を探してきた…。

そして、やっと、見つけた)




一陣の風が吹き抜ける。


春の陽気を含んだ、薫りよい風だった。



ココ・リフォーは、その風の優しさに目を細めた。



(うん、良い風だ。

まだ、大丈夫だと、自然が語りかけているようだ)






ーーー来るべき日が来るのは、恐らく避けられないだろう。



しかし、それは、まだまだ先のことであるように感じた。




(今はまだ、手出しはせずに、様子を見ることにするか)




ココ・リフォーは、ゆっくりと歩き出し、町を離れた。